初めてルーマニアを旅行した時に
古都シギショアラで出会った青年がいました。
名前はオヴィデュといって
同じ宿に泊まっっていたルーマニア人の男性で
1つのドアを開けると中央に階段と両側にそれぞれ部屋があり
私たちはその両側にいて1つのシャワールームを共有しなければならず
お互い様子を伺ううちに打ち解けて仲良くなったわけです。
帰国後もPCがオンラインになれば会話していましいた。
その時の会話は結婚をほのめかすこともあり
出会ってから4年の歳月を感じました。
そのオヴィデュとブカレストで連絡を取り合い
黒海の港町コンスタンツァで待ち合わせることにしました。
マリーン(海軍)フェスティバルをしていて楽しいはずだから!
と言われ行ったのですが
重いザックを前と後ろに背負った私には人混みが過ぎました。

やっと炎天下を抜けて日陰に入ると
といっても日差しが強いだけで暑くないのですが
フィアンセとともにオヴィデュが登場!
そしてドナウデルタで休暇を過ごそうと
ひと晩コンスタンツァに泊まった後バスで移動を始めました。
3人でバスのチケットを買うと1人(この場合は私)は
誰か知らない人と隣り合わせの席に通されるわけで
この時も知らない旅行客と隣り合わせになりました。
隣に座った男性は
『中国之家』と書かれた住所タグをバッグにぶら下げた西洋人で
つい「中国にお住まいですか?」と訪ねてしまいました。
もちろん彼は私の顔立ちを見て中国人だと思い込み
「あ・・・6ヶ月旅行しただけなんです・・・
住まいはフランスですから・・・」と答えました。
バスを降りるころオヴィデュが
「君と話していたのはフランス人?同じ目的地なら声をかけよう!」
と言うので
私が声をかけると
オヴィデュはフランス語で彼に色々ことの成り行きを説明し始めました。
この男・・・なかなかできる男・・・
私たちが出会った4年前も彼はまず日本語で自己紹介をして
お互い打ち解けたのでした。
いくつの言語を操る男なのだろう・・・
コンスタンツァからトルチャに行くバスで出会ったフランス人ジャンと
トルチャからスリナに行く船に乗り込みおかしな4人旅が始まりました。
このドナウデルタの住民はほとんどの人がロシア語が話せて
フランス人ジャンもまたロシア語が話せ
彼自身ロシア語を学んだはいいものの
実際に会話したことがないというのでいい経験をしたようでした。
凄いことにオヴィデュのフィアンセであるダナも
フランス語とロシア語を話すことができるので
私たちの共通の言語は英語でしたが
宿の人たちが会話に加わるとロシア語とフランス語が飛び交うのでした。

(ルーマニア正教ではなくロシア正教の十字架が目立つ墓地)
そして宿のおばさんは「今の若い人ってみんな頭がいいのね~」
オヴィデュが訳してくれましいたが
それを言われているのは私以外の3人のことで
誰の話も理解できない
『ロストイントランスレーション』状態の私にわざわざ訳すなよ~
と若干ジェラシーを感じたのでした。
その夕方と次の朝
黒海のビーチに出てみましたが
二の腕が肘より細いジャンは革靴を履いて砂浜を歩いていました。
ルーマニアで一番いい砂と言われているスリナのビーチは
まるで小麦粉の上を歩いているようでとても心地よいのですが
ジャンは波打ち際まで革靴を脱ごうとしませんでした。
しかもほかの3人は泳ぐつもりもないのにサンダル履きで行き
太ももの辺りまで海に入りそれで満足し
ジャンのほうは革靴でビーチに行き
水着持参でハリキッて泳いでいました。
ちなみに黒海はいわゆる世界で一番のベタ凪で
波立つことがほとんどないそうです。
ビーチで話しかけてきた自称セーラーマンは
「5分以内に雨が降るぞ!急いで帰りな!!」とアドバイスしてくれ
言われた通り5分以内に雨が降りだしたときは
さすが海の男!!

その間も足の砂を払い靴下と革靴を
よろめきながら履くジャンを待っていたわけですが・・・

(本文とは関係ありませんが
砂遊びをするジャックバウワー似の刺青男を見かけ
笑いをこらえてパチリ!)
午前中をビーチで過ごし午後は宿のおじさんがボートを出してくれ
デルタ地帯をクルージングしました。

(岩の向こうは黒海で手前がドナウ川)
8カ国を流れる大河ドナウの行き着くところ
黒海の河口は渡り鳥のオアシスとなっており
元漁師であるおじさんは色々説明してくれまいしたが
私の耳に届く頃には
「あれは鵜だ」「あっちはカモメだ」「あの大きいのはペリカンだ」と
とてもシンプルな訳になっていました。
中州で船を下してくれ
私たちは鳥に近づきましたが
一定の距離を保つ鳥を追っているうちに
ウクライナに入ってしまいました。
国境警備をしている義理の息子さんからおじさんへ
おじさんからオヴィデュに電話がかかってくる頃には
カンカンに怒っていました。
ごめんよ~オヴィデュ・・・
『ルーマニアで邦人女性殺害か?』というウェブニュースを見ました。
ご心配おかけしてます。
夫のラーメンを食べるまで生きます!!